野村実佳子の『読むラジオ♪』
~野村牧場物語~

皆さんこんにちは。野村牧場の直売部隊 隊長、野村実佳子です。おまけコンテンツにようこそ!

ここでは「野村実佳子の『読むラジオ♪』~野村牧場物語~」と題しまして、私たち夫婦の出会いから牧場が軌道に乗るまでの過程を、ざっくばらんな物語風にして書いてみました。よろしければラジオを聴き流すような感覚で読んでみてください。

そして「こういう人たちが、野村牧場のお肉を生産して販売しているんだな~」と少しでも知っていただき、親近感をもっていただけたら幸いです。

おーラジの番組「パラダイス!野村牧場」とは?

本題に入る前に、私が普段させていただいているラジオ番組のご紹介を簡単にさせてください。

「パラダイス!野村牧場」とは、栃木県小山市のコミュニティFM局「おーラジ」にて、毎月第2・第4月曜日に生放送されているラジオ番組のことです。

野村牧場の直売部隊 隊長である私、野村実佳子が、ナビゲーターの方と会話しながら、当社の牧場や直売所に関連した情報や、美味しい牛肉レシピの紹介、その他美容や健康にまつわるお話しをさせていただいております。

もしご興味がありましたら、ぜひ一度聴いてみてくださいね♪

「パラダイス!野村牧場」

毎月第2・第4月曜日の18時から30分間生放送中

※放送地域外の方へ:『FM++ (エフエムプラプラ)』というアプリをダウンロードしていただくことで、全国どこででも無料で視聴が可能になります。

それでは本題スタートです!

まずは私たち夫婦の出会いを講談師風?にご紹介!

「野村牧場の跡取り息子として育てられた野村俊一。農業を一緒に担ってもらえる嫁探しに奔走して中華人民共和国までお見合いをしに行くが、見事に破断。結婚を諦め切った頃に、ふって湧いた見合い話が!

一方、大阪で育った個性的な女子、実佳子。独自の感性で自由に生きていたある日、農業をしたいと思い立ち、農家と知り合うための婚活を始める。

大阪南港食肉市場の品評会へ出品していた野村牧場の創業者・野村守と偶然に大阪で知り合った、婚活中の実佳子!守は、実佳子の熱意に押されて息子を紹介することになるのであった…!!続く。」

農場HACCP (ハサップ) をとるきっかけになった事件

こうして無事に結婚を果たした俊一と実佳子は、毎日せっせと牧場で牛を育てていました。

しかし、平成25年ごろから家畜市場より仕入れた子牛が、導入2ヶ月から3ヶ月で続々と死ぬようになり、しかも死因が特定できないという事態が起こったのです。それはそれは、あまりの死亡数に家畜保健所が野村牧場を視察に来たほどの大事態となりました。

その後も我流で色々と試すも、結果は変わらず…。子牛の連続死は続いていきました。「このままでは会社が倒産する」と危機感を抱いた実佳子は、俊一が兼ねてより興味を持っていた『農場HACCP』の導入の意志を家畜保健所に伝えて、現場への介入を依頼することにしたのです。

その後、必死に俊一が頑張ってくれたおかげで、私たちは業界でもいち早く『農場HACCP』を取得することができ、牧場の隅々まで衛生管理が行き届くような仕組みが確立されました。

それからは一度もこのような事件は起こっていません。

私たちにとっては大きな壁でしたが、その壁をどう捉えてどう乗り越えるかで、結果はいくらでも自分たちで変えられるんだなと思った、学びのある出来事となりました。

たった2年でまずい肉が美味しくなった理由

直売所を開店してから、たくさんのお客様が野村牧場の牛肉を食べに来てくださいました。しかし最初は盛況だった直売所も月日が経つにつれ、次第に客足は遠のいていくことに。

そんな折、直売所で働いていた実佳子は、お客様から「おたくのサーロインは不味い」とはっきり告げられました。

正直とてもショックでした。でも理由はハッキリしていました。「例え枝肉共励会の賞を獲るほど肉の見た目が良かったとしても、味には比例しないんだな」と。

その日から、肉の味の感想をお客様に尋ねると「旨いけど獣臭い」という意見を多くいただきました。やはりという感じでした。

その後、実佳子からなんとかしてほしいと要求された俊一は、肉の味を変えることを決意!ここから俊一の『牧場大改革への挑戦』が始まりました。

牛飼いなのに肉類が大嫌いな俊一。「自分が美味しいと思える肉はどんな肉なのか?」俊一の理想とする美味しさを具現化する試みが始まりました。

まずは直売所で販売したお肉の味の感想を実佳子から聞き、どのように牛を育てたのか記録を辿ります。2年間にも及ぶ試行錯誤を繰り返し、ついに俊一は原因を突き止めました。

肉の風味に一番影響する要因は、牛が感じるストレスにある!

そう確信を得た俊一は農場の牛全体に気を配り、一頭ずつそれぞれに合ったきめ細かい環境作りに力を入れ、ついに肉の味を変えたのでした。

それにより、お客様からの評判もまるでオセロをひっくり返したように180度変わり、美味しいという口コミが一気に広がりました。遠のいていた客足が一気に復活し、今までのことが嘘かのようにお店は繁盛するようになったのです。

これが、誰にも真似はできない俊一の凄さだと私は思っています。今では、お客様に「牛肉の臭みがなくて、とても美味しい」とまで言われるようになりました。

牛の世話

最後に

今回のお話はほんの一部分です。牧場経営は生きている牛を相手にしているので、同じ日はなく日々色んなことが起こります。その都度、夫婦として同じ仕事をして、同じ問題に立ち向かってきました。その内いつの間にか失敗に埋もれない強い心を養ってこれたようにも思います。

2022年1月からは農福連携という新たな事業もスタートさせました。めまぐるしい時代の変化に対応しながら、これからも皆さんのお力添えをいただきつつ、夫婦二人三脚で頑張っていきたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いいたします!